フヂログ

高知で弓を引いています。

弓道練習日誌 その4

 少しずつだけど,身体が戻りつつある。そしてカンが戻るのと比例するように自分の射癖も強くなってくる。相変わらずその日の1本目は的中する。そこをピークに僕の射はどんどんと弱弱しくなっていく感じがある。

 

 打ち起こしから大三に移行するとき,両肩に力が入ってしまう。これは前回も指摘されたことだ。しかし,言われるまで気が付かない。身体の疲れとともに弱くなった部分を肩の力でカバーしようとしている。引き分けから会に入る際には肩だけではなく,肘も伏せてしまい,弓の力を完全に殺してしまう。

 

 ある一定のレベルに達すると,「あ、これは絶対外さないな」感覚がある。しかし,それは左右の手の内の受けが上手くいった結果であって,身体のどこかのバランスがおかしくなっている可能性はぬぐえない。僕が目指すのは,両肩・両肘の規矩が整うことも含めて,手の内の受けがうまく働くことだ。

 

 そのためには,左手の手の内の修正は避けて通れないようだ。左手の平は弓の力を受けるだけ。これが難しい。ただ,弓に聞くしか方法はない。弓の力を十分に感じながら,強すぎず弱すぎない,弓に適した力で押手を押し開く。

 

 また,大三をとるとき,押手の親指を使わずに回す必要がある。つまぞろいは形にとらわれず,とにかく握らないこと。僕にとって大切なことは,弓の力を感じることができるまで,両手先の力を抜くことだと思う。それができれば,無理に肩を使うことなく弓が引けるはずだ。

 

 僕は,必要以上の力を使い弓を引いている。たかだか16キロくらいの弓に対して肩を使ってがちがちと引いている。これでは,胸の中筋でわかれることはなく,両手先で離して緩みながら的中している。その証拠に左手親指の付け根の矢を乗せるところを打っており,血がにじんでいる。

 

 そうではなく,もっと柔らかく,のびやかに,優しい弓が引きたい。そのためには,まず,要所要所の力を抜くことが課題のようだ。 

弓道練習日誌 その3

 「ちょっと,後ろから背中みてくれんか。」

 練習が一息ついたとき,先生から声がかかった。6段教士の先生を見るというのも多少緊張するが,見てくれと言われたら見るしかない。先生の背後に回り,後ろから見させていただいた。胴造りの時点で腰の線と肩の線に微妙な狂いが生じていた。ほどなく修正して中りを戻していた。

 

 次には,背中の肩甲骨の根の部分に手をあて,射の動作中にどちらの部分に圧がかかっているか確認してくれとのことだった。打ち起こし,大三まではほぼ均等に左右均等に添えた手に圧を感じた。しかし,引き分けの後半部分から右手に大きな圧を感じた。形だけではとらえることができない。身体の中の微妙な動き。矢は的中していた。

 

 先生も少しそれは感じたようだった。僕はそれよりも,先生の背中の動き方に目が行ってしまっていた。身体の中心から背中の両側が5センチくらい伸びていくのだ。僕は今までずっと肩甲骨の交差する点に向かって近づけていた。これでは僕の射で背中は絶対に伸びない。

 

 「僕の背中は引き分けの際に動いていますか?」と先生に聞いてみた。答えは「動いてない」だった。「そもそも背中って動くのですか?」と聞いたところ,「それはもちろん動く」とお答えになった。「まあ,5センチは動きすぎかもしれんけどな」。

 

「先生。僕の背中に動きはありますか。」と聞いたとこと,あっさり「ない」と言われた。やっぱりね。意識したことないもの。

 

 弓を置いて身体の動きをイメージしていみた。大三から引き分けにかけて,左右の肘もしくは拳を遠くの方へ置くイメージ。何度かそれをイメージしてみた。弓はもっていないが,両腕の下筋の筋肉が非常に張ってくる。これなら矢線を意識しやすくなるはず。

 

 早速挑戦するが,うまくいかない。矢どころは正直どこに飛ぶかわからない。僕には肩をがちがちに決めて弓手の肘を伏せて押さえつける癖がある。勝手はもはやどうなっているかわからないのでほっとくとして,肘の動く方向を特に意識して引いてみた。会で矢頃が来たときどこに外すかくらいはつかめてきた。

 

 今まで弓を引いてきた中で一番劇的な現実かもしれない。そもそも身体の使い方が間違っている可能性が高い。しばらくは当たることは言外に置き,身体の使い方に的を絞って修正した方が良い気がしてきた。今,僕の射は固い。そうではなく,もっと柔らかい射を目指したい。そのためには,もっとのびやかに引くことが必要とされているのではないか。

 

 この,身体の使い方の転換は,案外理想に一歩近づくことのできる一歩かもしれない。しばらくの間の課題として,当分の間は当たりから遠ざかろう。