フヂハラジロー 弓道のおやつ

高知で弓を引いています。

MUFGリサーチ&コンサルティングの日本経済ウォッチ(10月号)が興味深い

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングという会社をご存じでしょうか。僕はあまりこのようなシンクタンクといわれる企業がどのような業務にあたっているのか詳しくはありません。聞くところによると,企業の業務のコンサルだけではなく某地方都市の総合計画なんか策定するなど,政策提言も積極的に取り組んでいる企業のようです。

 

 そして,この企業のおもしろいところが「シンクタンクレポート」として,今後の経済の見通しや分析レポートなどをホームページ上で公開しているのです。ほかのコンサルさんも同様の取り組みをやっていらっしゃるのかもしれませんが,めんどくさいので調べません(笑)。僕は個人的にここのレポートは気に入っています。これとか。

 

 今回は,その中でも「日本経済ウォッチ2016年10月号」の「3.今月のトピック:企業が儲かれば賃金は増えるのか?」というテーマに興味がわきました。プロ集団がリサーチした精度の高い情報をなんとタダで見ることができる。良い時代になりました!

 

 内容を要約してみます。果たして要約になっているのか??

 

企業が儲かれば賃金は増えるのか(クリックするとデータ元にアクセスできます。)

(1)縮小する格差,低下する所得水準

 ○格差が拡大しているかのような錯覚

  ・所得格差は2006年をピークに縮小傾向である。

  ・統計に表れているが,実感としては格差が拡大しているように感じる。なぜか。

  ・高所得世帯,中所得世帯,低所得世帯ともに所得水準が低くなっている。

  ・上のことから,昔と比べて所得水準が低くなっているため,実際には格差が縮小 

   する中でも人々は逆に格差が拡大しているように錯覚している可能性がある。

 

 ○現役世代がお金を使わない 

 ・おおむねすべての年齢階級で年間収入が低下している。

 ・しかし,貯蓄額については現役世代を中心にほぼ横ばい圏で推移している。

 ・最近の消費の弱さの背景には,所得の低下だけでなく,こうした現役世代の消費性

  向の低下も影響していると考えられる。

 

(2)なぜ所得水準が下がっているのか?

 ○お金を貯めこむ企業 

  ・日本は長らくデフレに陥っていたため,名目ベースの賃金は減少しても実質ベー

   スでは大した影響はないと感じられるが,実質ベースでも大きく減少している。

  ・賃金水準がここまで低下したのは,日本の長期的な不況が理由の一つである。

  ・もう一つの理由として,足元での企業の労働分配率は過去最低水準となってお

   り,日本経済が低迷する中,企業は人件費を抑制することで,自らの利益水準を

   高めてきたと考えられる。

 

 ○仕事は,,ある。 

 ・国民所得の減少分と比較して賃金要因の減少が小幅なことから,企業は正社員や非

  正規雇用者の賃金の低下は最小限に抑えながら、正社員を非正規雇用者に置き換え

  ることで、全体の人件費を抑制してきたと言える。 

 ・つまり,企業による人件費の抑制が行きすぎた結果、日本経済の低迷以上に雇用者

  全体の所得を低下させ、それにより消費が抑制され、さらに日本経済を低迷させる

  という悪循環を作りだす一因になってきたと言える。

 

(3)どうすれば賃金は上がるのか?

 ○儲かった分はそろそろ労働者に分配したらどう?

  ・市場メカニズムに任せる。市場メカニズムが限界ならば政府が主導権を握って賃

   金を上げていくしかない。

  ・同一労働同一賃金の実現などの抜本的な改革が必要。

  ・そうなると,正規・非正規の雇用形態は意味をなさなくなるので,当面の間は非

   正規社員の正社員への転換を促すことが重要な施策。

  ・そのためには,不本意非正規の解消および正社員の長時間労働を前提とした働き

   方の見直しが必要。

  ・医療や福祉の分野は他の産業と比較して賃金水準が低い傾向にあることから,特

   に低い保育士や介護士の給与の引き上げ,および診療報酬や介護報酬,保育士の

   配置基準などの見直しを含めた総合的な検証を行うことが必要。

 

 以上,要約になっているようななっていないような感じですが。全体的に見て,やっぱり,働き方というものを検証する時期にあるんだなと感じました。語弊を恐れずに言うならば,非正規で働きたいっていうニーズもあるわけですからね。多様な働き方ができる社会というものが理想なんだと思います。

 

 政府主導でどこまで改善できるのかわかりませんが,一人ひとりが働き方について一つの軸を持つ時代が来ているのだと思います。また,僕個人的にはですけど,そのような軸を持つことのできる自由な空気が,今の日本には表れつつあるのでは?と前向きに考えております。